中学生時分から教科書はごっそり学校に置いては通学カバンに単行本だけを詰めて、片道1時間の道のりを通っていたものです。友達の間でも本の分厚さがステータスになっており、1000ページ以下の本は持ち歩かない主義だと強がって意地を張っていたのを覚えています。そんな意地からどハマりした私の青春そのもので大好きな作家さんの新刊を見かけました。大人になった今、中々分厚いモノには手を出せなくなってしまいましたが単行本という手段で気軽に持ち運びできるタイプがあったことに喜びを感じたものです。表紙から漂う懐かしい異世界感。読み終えた時のあの心地よさを想像して折り目がつかないよう丁寧に頁をめくりつつ、段々に文字の世界へ誘われていきました。